豆知識
知覚

 

新緑が鮮やかな季節になって参りました。みなさまいかがお過ごしですか。さて、今回は「知覚」です。

 

身体の外部または内部に加えられた刺激によってひき起こされた心的活動のうち、直接外界ないしは刺激物を認知する作用をいいます。この場合、心的活動によって意識される内容が冷温、粗滑、明暗、色、音などについての要素的なものに限られるものは感覚といいます。
 
たとえば、眼前に赤色の刺激物が現われたとき、まず、明るいとか、赤いとか感ずるのは感覚であり、これにつづいて、その刺激物の空間的、時間的関係から、そのものの大きさ、形、所在、運動の方向や速さ、などが認知されれば知覚として感覚と区別します。
 
さらに、過去の経験に照らして、その刺激物が、赤い風船であるとか、電灯であるとかと認める作用は統覚といわれます。したがって、感覚は知覚に含まれることになります。しかし実際には感覚と知覚を判然と区別するのはむずしい場合が多く、普通は同じ意味に用いられています。