
ナトリウム過剰症
- 三鷹市の内科・循環器科【小島内科クリニック】TOP
- 循環器科
- 心不全
- ナトリウム過剰症
ナトリウム過剰症
桜花の便りが聞こえてくる季節となりました。みなさまお元気でお過ごしですか。さて、今回は「ナトリウム過剰症」です。
体内にナトリウムが過剰に存在する状態で水分の貯留を伴います。ナトリウムは細胞外液の陽イオンの大部分を占め、全ナトリウム量の約80%は細胞外にあり、細胞外液の浸透圧を一定に保っています。したがって本症では細胞外液量の増加が病像の前景に立つものです。急性に起こった場合(生食液、リンゲル液の急速点滴静注)にはうっ血性心不全となり、緩徐に起こった場合は血管内の過剰のナトリウムは潜在性の浮腫液となって現われます。後者ではナトリウムの貯留にひきつづいて水分貯留が起こり、これが組織間隙や体腔にたまり、浮腫を形成するものです。例外的に脳疾患にみられる高ナトリウム血の場合にはナトリウム過剰にもかかわらず水分貯留は伴いません。浮腫は心不全、肝硬変症、ネフローゼ症候群、クッシング(Cushing)症候群などにみられます。