豆知識
残 尿

残尿とは、排尿直後に膀胱に残っている尿のことです。前立腺肥大症など尿の通り道が圧迫され尿が出きらないことが原因になる残尿と、椎間板ヘルニア・糖尿病性神経症・がんなどの手術による神経障害による神経性の残尿があります。

 

神経性の残尿は、膀胱の筋肉を収縮させる神経が障害され、尿を出し切れないことが直接の原因です。残尿量は膀胱にエコーをかけることで測定が可能であり、排尿障害の状態を調べる指標となります。

 

残尿量は少ない場合で数10ml、多い場合では数100mlに及びます。成人1回の排尿量は200~400mlであり、一般的に残尿が50ml以上ある場合が治療対象となります。

 

残尿の治療は元の疾患に対する治療が主となりますが、改善が見られない場合には排尿に関わる筋肉の収縮を強くする薬などを使用することもあります。薬による治療が難しい神経障害がある患者さんに対しては、手術や尿道カテーテルによる導尿を行います。

 

ちなみに「尿が残っている感じ」いわゆる「残尿感」がある患者さんの中には、実際には残尿がないこともあります。残尿のない残尿感は、過活動膀胱や膀胱炎・前立腺炎などが原因となることが多いです。

 

実際に残尿があるかどうかは測定しなければわからず、残尿の有無により治療方針も異なります。残尿や残尿感はなかなか自然には治りませんので、早めに病院で相談するようにしましょう。