豆知識
糖尿病の食事療法

糖尿病の治療薬には、注射薬や様々な方法で血糖値にアプローチする飲み薬など、多くの種類があります。近年研究が進み血糖値が下がりやすくなる薬も発売されましたが、それでも薬より大切なのは食事療法です。

 

どんなに良い薬を使っていても、暴飲暴食・血糖値の上がりやすい食事を続けていては治療効果が十分に出ず健康が損なわれてしまいます。ただ病院で出される食事のように細かな栄養管理が必要では社会復帰が難しいですし、単にカロリーや量を制限するのでは長寿に結びつきません。

 

血糖コントロールをしつつも健康寿命を延ばすためには、必要最低カロリーを定めて守り、その上でバランスの取れた食事をする必要があります。必要最低カロリーは、以下の式で求められます。

 

標準体重(身長(m)×身長(m)×22)×身体活動量

※身体活動量


・専業主婦やデスクワークがメインの人 25

・立ち仕事が多い人 25~30

・力仕事が多い人 30

 

この計算結果が目標とすべき1日の摂取カロリーとなりますが、身体活動量は体格や現在の体重により変動するため、主治医や担当の栄養士などに相談すると良いでしょう。食事のバランスが取れているかどうかは、五大栄養素と呼ばれる糖質・タンパク質・脂質・ミネラル・ビタミンをそれぞれ1日の最低量を摂れているかどうかから判断します。

 

必要最低カロリーを満たし、バランスの良い食事を日々考えるのは大変です。そこで糖尿病の食事療法のために作られた、食品交換表を用いると献立を考えやすくなります。食品交換表を使うことで、何をどれくらい食べればよいのか一目でわかりますし、自分で考えたメニューを栄養バランスを整える食材に変えることも簡単です。

 

使いやすく中身の充実した食品交換表は書籍として市販されていますが、簡素的なものであれば病院や薬局でもらうことも可能です。